感想
二重螺旋の誘拐
ネタバレ注意
良作
・誘拐ものミステリ
ミステリをよく読む人なら、読み始めてすぐに「時系列詐称叙述トリックか」と想像するだろう。ただ、もしそうなら「"彼女"は一体なにものなのか」というのが重大な問題となってしまうので、自分はここでこの案を放棄してしまった。
ここにもうひとつ大きなトリックが隠されていた。
・彼女の正体に関する伏線
P80の描写がちょっとずるいような気はするものの、そこを除けばミスリードも伏線も見事。
全体的にミスリードを狙った描写が多いものの、例えばP135の描写、P137のやりとりなどが決定的な違和感を与える。
このことと、P247の「主人公が犯人に気付いている」という独白を合わせれば、P288で明かされるその理由に思い当たらなくても、見抜けるようになっている。
・時系列詐称に関する伏線
再読した際にも、P176の「昨日」やP248の「最近」などの大きなミスリードばかりが目について、伏線の方に気づけなかったのだけど、P165などに代表される「痴呆症」と「認知症」の呼び分けが一番大きな伏線であるようだ。
・タイトルの意味
そもそも事件の原因が血筋をめぐる問題であったことを踏まえると、単純に「2つの誘拐事件がからみ合うさま」を表すだけでないダブルミーニングになっているように思う。良いタイトルだ。
ネタバレ注意
良作
・誘拐ものミステリ
ミステリをよく読む人なら、読み始めてすぐに「時系列詐称叙述トリックか」と想像するだろう。ただ、もしそうなら「"彼女"は一体なにものなのか」というのが重大な問題となってしまうので、自分はここでこの案を放棄してしまった。
ここにもうひとつ大きなトリックが隠されていた。
・彼女の正体に関する伏線
P80の描写がちょっとずるいような気はするものの、そこを除けばミスリードも伏線も見事。
全体的にミスリードを狙った描写が多いものの、例えばP135の描写、P137のやりとりなどが決定的な違和感を与える。
このことと、P247の「主人公が犯人に気付いている」という独白を合わせれば、P288で明かされるその理由に思い当たらなくても、見抜けるようになっている。
・時系列詐称に関する伏線
再読した際にも、P176の「昨日」やP248の「最近」などの大きなミスリードばかりが目について、伏線の方に気づけなかったのだけど、P165などに代表される「痴呆症」と「認知症」の呼び分けが一番大きな伏線であるようだ。
・タイトルの意味
そもそも事件の原因が血筋をめぐる問題であったことを踏まえると、単純に「2つの誘拐事件がからみ合うさま」を表すだけでないダブルミーニングになっているように思う。良いタイトルだ。
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