音の単位

某ゲームをやっていると、「シロナガスクジラの鳴き声は(略)180ホンを超える音量の唸り声を出すことも」という文章に遭遇した。
・うろ覚えだが、たしかジェットエンジンの音が120デシベル、ホンとデシベルはだいたい同じもの、デシベルは対数スケールの単位、だったような気がするので、ジェットエンジンの音の6桁上=100万倍の音? そんなことあるか??
・まず「シロナガスクジラ 180ホン」などで検索すると多数のサイトがヒットするが、信頼に足る出典にはたどり着けず。wikipediaのシロナガスクジラの項目にも180ホン云々と書かれているが英語版には相当する記述がなく、この記述は2005年9月に出典なく書き足されたものだった。
・ホンよりデシベルで調べた方が情報が得やすいだろうと思い、ホンとデシベルの換算を調べる。wikipediaによれば、ホンという単位はデシベルに対して音域ごとに補正をしているらしい。つまりデシベルとホンを換算するには音域を調べる必要がある。
・シロナガスクジラの鳴き声についてはwikipediaの英語版記事米国鳥類学研究所を出典として10-39Hzであるとの記載がある。この音域では180ホンは(この範囲は図がないので正確な値は不明だが)190dB~210dBに相当しそうだ。ジェットエンジンの音が120dB(140dBとも。どちらも出典不明)と言われることを考えると、それより8桁上=1億倍のエネルギー??? やっぱり無理では???
・単位ミスの可能性を考えて「シロナガスクジラ 180dB」で検索したところ、国立研究開発法人海洋研究開発機構のページがヒットし、シロナガスクジラの鳴き声として190dBのものは実際に観測されていることがわかった
・このページをよく読むと、「海中の150dBの音は、大気中の150dBの音と同じではない」ということが書かれている。ここでのデシベルは「大気中では20μP、水中では1μPを基準とする。水中の190dBは大気中の164dBに相当する」とある。これは一体……?
・デシベルという単位について調べた。いままでずっと誤解していたのだが、(デシ)ベルというのは「音の大きさを表す単位」ではなく、単に「比の常用対数を表す単位」であるらしい。比なので当然どこかに基準値を設ける必要があり、それが前述した値であるそうだ。
・ベルが比の常用対数なのでデシベルは当然10大きくなる毎に10倍になる単位……ではない。いや、定義はそうなのだが、実際に使われるときには実は「10大きくなる毎に10倍」と「20大きくなる毎に10倍」が特に断りなく混用されている(ようにみえる)。ちなみに音の大きさ(特に騒音など)を表す時に用いられるのは後者の「20大きくなる毎に10倍」であるようだ。この謎を解明するには、そもそも「音の大きさが10倍になる」とはなんなのかを考える必要がある。
・音というのは大気圧からの気圧の差によって生じるものである。この差を音圧といい、単位は(圧力なので)[Pa]である。そして、「音のエネルギー」とは[W/m^2]即ち「単位面積あたりあたりのエネルギー」である。実は「音のエネルギー」は「音圧」の2乗に比例する(詳しい計算式はこちらのサイトなどを参照のこと)。つまり「音圧が10倍になるとエネルギーは100倍になる」ので「音が10倍になると20dB違う」ということになっているようだ。

これを調べて文章にまとめるだけで2時間半もかかった。
ややこしや。
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