ボク、スラロン
ボクはスライムのスラロン。
スライムっていうと一番弱い魔物だとニンゲンは思ってるようだけど、本当は強いんだぞ。
だって、ボクは今、ゾーマと対峙してるんだから。
ボクがアリアハンを旅立つ原因になったのはオルテガさんの死だ。
オルテガさんは町の勇者で、ボクの育ての親だ。
子供のいなかったオルテガさんはボクを息子のように育ててくれた。
魔界からやってきたバラモスを討伐するために旅立ったオルテガさんが、バラモスとの戦いの途中で火山の火口に落ちたという話をきいて、ボクはオルテガさんの遺志をついでバラモスを倒したのだ。
ボクはバラモスに聞いた。なぜ、ニンゲンを攻撃するのかを。
バラモスはこう答えた。
「今、この地の新たな支配者は私である。支配者に従わないものに罰を与えて何が悪い」
と。
そんなバラモスだったけど、本当はゾーマの手下の1人に過ぎなかったんだ。
ボクは目の前にいるゾーマにもバラモスにしたのと同じ質問をした。
「お前は魔族の者のくせにそんなことも知らないのか。我ら、魔族の者ははるか昔、人間によって魔界へと追いやられたのだ。この地はもともと我らの物。我はこの地を取り返すために、そして人間に復讐をするために戦っているのだ。お前も魔族の者ならば、我らに加勢して、再びこの地を我らの物とするために戦わぬか」
ゾーマはこういったけど、ボクは本当のことを知っている。
ゾーマが話しているよりはるか昔には、世界は魔界、地界、天界の3つに分かれていて、それぞれ、魔物、人間、天空人が住んでいた。
その均衡を崩し、地界を我が物にしようとしたのが、自分を「魔族の王の中の王」というヤツだった。
そいつは地界と魔界をつなぐ道を開くことができるニンゲンを連れ去って、地界への道を開けさせようとしたんだ。
けれど、そいつの野望は、そのニンゲンの孫――伝説の勇者と予言されていた子供と、その家族、それに彼らに旅の途中で加わった数匹の魔物たちによって打ち砕かれたんだ。
魔物たちは全て魔界へ帰っていった。勇者に加勢した数匹の者たちを除いて………。
多分ゾーマはこのことを言っているんだろう。
そして、ボクは知ってる。ボクのひいひいひいひいひい……ひいじいちゃんのスラリンがその中の1匹だった事を。
それに、復讐のために戦ったらだめなんだ。復讐からは何も生まれない。
ボクだって、はじめはオルテガさんの仇を討つために戦っていたけど、それじゃだめなんだ。
今、ボクはみんなを守るために戦ってるんだ。オルテガさんの奥さんや、アリアハンの町の人たち、冒険の途中で出会ったたくさんの人たち…。みんなを守るために戦うんだ。
さあ、かかって来いゾーマ。ボクは負けないぞ。
あとがき
3と5のコラボっぽいやつを書いてみました。しょぼいです(笑
コメント等を書いていただければ、UP主がとても喜びます(笑
スライムっていうと一番弱い魔物だとニンゲンは思ってるようだけど、本当は強いんだぞ。
だって、ボクは今、ゾーマと対峙してるんだから。
ボクがアリアハンを旅立つ原因になったのはオルテガさんの死だ。
オルテガさんは町の勇者で、ボクの育ての親だ。
子供のいなかったオルテガさんはボクを息子のように育ててくれた。
魔界からやってきたバラモスを討伐するために旅立ったオルテガさんが、バラモスとの戦いの途中で火山の火口に落ちたという話をきいて、ボクはオルテガさんの遺志をついでバラモスを倒したのだ。
ボクはバラモスに聞いた。なぜ、ニンゲンを攻撃するのかを。
バラモスはこう答えた。
「今、この地の新たな支配者は私である。支配者に従わないものに罰を与えて何が悪い」
と。
そんなバラモスだったけど、本当はゾーマの手下の1人に過ぎなかったんだ。
ボクは目の前にいるゾーマにもバラモスにしたのと同じ質問をした。
「お前は魔族の者のくせにそんなことも知らないのか。我ら、魔族の者ははるか昔、人間によって魔界へと追いやられたのだ。この地はもともと我らの物。我はこの地を取り返すために、そして人間に復讐をするために戦っているのだ。お前も魔族の者ならば、我らに加勢して、再びこの地を我らの物とするために戦わぬか」
ゾーマはこういったけど、ボクは本当のことを知っている。
ゾーマが話しているよりはるか昔には、世界は魔界、地界、天界の3つに分かれていて、それぞれ、魔物、人間、天空人が住んでいた。
その均衡を崩し、地界を我が物にしようとしたのが、自分を「魔族の王の中の王」というヤツだった。
そいつは地界と魔界をつなぐ道を開くことができるニンゲンを連れ去って、地界への道を開けさせようとしたんだ。
けれど、そいつの野望は、そのニンゲンの孫――伝説の勇者と予言されていた子供と、その家族、それに彼らに旅の途中で加わった数匹の魔物たちによって打ち砕かれたんだ。
魔物たちは全て魔界へ帰っていった。勇者に加勢した数匹の者たちを除いて………。
多分ゾーマはこのことを言っているんだろう。
そして、ボクは知ってる。ボクのひいひいひいひいひい……ひいじいちゃんのスラリンがその中の1匹だった事を。
それに、復讐のために戦ったらだめなんだ。復讐からは何も生まれない。
ボクだって、はじめはオルテガさんの仇を討つために戦っていたけど、それじゃだめなんだ。
今、ボクはみんなを守るために戦ってるんだ。オルテガさんの奥さんや、アリアハンの町の人たち、冒険の途中で出会ったたくさんの人たち…。みんなを守るために戦うんだ。
さあ、かかって来いゾーマ。ボクは負けないぞ。
あとがき
3と5のコラボっぽいやつを書いてみました。しょぼいです(笑
コメント等を書いていただければ、UP主がとても喜びます(笑
テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学
また…
また、PC禁になったようです。
とりあえず、明後日中に学校で上げます。
とりあえず、明後日中に学校で上げます。
更新停滞中・・・
どうも、だいぶ更新が停滞しています…。
あたらしいCGIゲームに見事にはまってしまいまして…。
しばらくはこんな調子になりそうです。
近日中にはとりあえずDQの短編をひとつUpする予定です。
あたらしいCGIゲームに見事にはまってしまいまして…。
しばらくはこんな調子になりそうです。
近日中にはとりあえずDQの短編をひとつUpする予定です。
4-8 イシス
「地図貸して」
次の日唐突に姉さんが言った。
「いいけど、どうするんだよ」
「あんたねぇ、地図使って昼ごはん作ると思う?地図使って顔洗うとでも思う?」
みんな気が立っているんだ。イシスになかなか着けなくて。それは分かっている。分かっていても、「みんな」に自分も含まれているんだからしょうがない。
「じゃあ、そうすれば」
「なによ。もういいわ。あんた、あっち行っといて」
「ここは僕がいたんだから、僕が退く(どく)必要は無いと思うけど」
「あっそ」
そう言うと姉さんはどこかへ行った。
その後どうやら姉さんは商隊の隊長に地図を見せて、僕とリチャードさんの時と同じ問答をして、それからこれからの進路に関して相談をしていたらしい。
地図によると、砂漠の南端は高い山が連なっていて、イシスもどちらかと言えば砂漠の南のほうにあるらしいく、その日から僕らは南東へ進んだ。
そしてようやくイシスの町へ着くいたのは砂漠に足を踏み入れてから15日目のことだった。
―女神の月 43日目
目次 次
更新遅かった上、短くてすいません。
次の日唐突に姉さんが言った。
「いいけど、どうするんだよ」
「あんたねぇ、地図使って昼ごはん作ると思う?地図使って顔洗うとでも思う?」
みんな気が立っているんだ。イシスになかなか着けなくて。それは分かっている。分かっていても、「みんな」に自分も含まれているんだからしょうがない。
「じゃあ、そうすれば」
「なによ。もういいわ。あんた、あっち行っといて」
「ここは僕がいたんだから、僕が退く(どく)必要は無いと思うけど」
「あっそ」
そう言うと姉さんはどこかへ行った。
その後どうやら姉さんは商隊の隊長に地図を見せて、僕とリチャードさんの時と同じ問答をして、それからこれからの進路に関して相談をしていたらしい。
地図によると、砂漠の南端は高い山が連なっていて、イシスもどちらかと言えば砂漠の南のほうにあるらしいく、その日から僕らは南東へ進んだ。
そしてようやくイシスの町へ着くいたのは砂漠に足を踏み入れてから15日目のことだった。
―女神の月 43日目
目次 次
更新遅かった上、短くてすいません。
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4-7 迷子?
砂漠の端までやってきたのはアッサラームを出て3日目だった。
「全員馬車から降りろ。ここからは歩くぞ」
「何で馬車から降りないといけないんですか」
「砂漠の砂に車輪を取られて進めなくなるかもしれないからね。馬車は軽い方がいい」
「そうですね」
砂漠。確かにそこには、砂しかなかった。まだ季節的には春のはずなのに、昼間はシャツ一枚でも暑い。無論、日光を遮るものなど無く、涼を得る手段は無い。しかし、それとは逆に夜は肌寒く、昼との温度差のせいで風邪を引いてしまいそうだ。私は果たしてイシスにたどり着けるだろうか。
――と、ここまで考えて、もういいかと思った。姉さんが日記をつけているように、僕もこういうことを冒険日誌にでも書いておけば少しはカッコいいのかもしれないけど、僕には日誌や日記をつける習慣や、さっきのような文章を毎日思いつけるほどの文才も無い。
それに、この世界で必要なのはそんな能力じゃなくて、実を守る術(すべ)だ。
今日もまた砂漠の真ん中――まあ、どこも「真ん中」なんだけど――で、魔物に襲われた。何も無い砂漠なんだから、視野はきくはずなのに、魔物たちは僕たちが気づかないうちにやってくる。
僕が魔物を倒して、姉さんが怪我人の手当てをする。
砂漠に入ってもう10日、いやもっと経ったか、とにかくかなりの時間が経っていた。ずっと真西へ、イシスへ向かって歩いているはずなのに、一向に国らしきものは見えてこない。みんな暑さで参って、体力は落ちるし、注意力が散漫になっている。
食料や水はまだまだ残っているけれど、この調子だといつイシスに着けるのか――あるいは着けないのか、分からない。
目次 次
「全員馬車から降りろ。ここからは歩くぞ」
「何で馬車から降りないといけないんですか」
「砂漠の砂に車輪を取られて進めなくなるかもしれないからね。馬車は軽い方がいい」
「そうですね」
砂漠。確かにそこには、砂しかなかった。まだ季節的には春のはずなのに、昼間はシャツ一枚でも暑い。無論、日光を遮るものなど無く、涼を得る手段は無い。しかし、それとは逆に夜は肌寒く、昼との温度差のせいで風邪を引いてしまいそうだ。私は果たしてイシスにたどり着けるだろうか。
――と、ここまで考えて、もういいかと思った。姉さんが日記をつけているように、僕もこういうことを冒険日誌にでも書いておけば少しはカッコいいのかもしれないけど、僕には日誌や日記をつける習慣や、さっきのような文章を毎日思いつけるほどの文才も無い。
それに、この世界で必要なのはそんな能力じゃなくて、実を守る術(すべ)だ。
今日もまた砂漠の真ん中――まあ、どこも「真ん中」なんだけど――で、魔物に襲われた。何も無い砂漠なんだから、視野はきくはずなのに、魔物たちは僕たちが気づかないうちにやってくる。
僕が魔物を倒して、姉さんが怪我人の手当てをする。
砂漠に入ってもう10日、いやもっと経ったか、とにかくかなりの時間が経っていた。ずっと真西へ、イシスへ向かって歩いているはずなのに、一向に国らしきものは見えてこない。みんな暑さで参って、体力は落ちるし、注意力が散漫になっている。
食料や水はまだまだ残っているけれど、この調子だといつイシスに着けるのか――あるいは着けないのか、分からない。
目次 次
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